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心理学の錬金術

傍観者効果とは?具体的な事例を紹介

投稿日:

【この記事を書いた人】マナブ
大学時代は引きこもって学問書を読み漁る、いわゆる頭デッカチ。 就活で50社以上に断られるも、現在はセールスプロモーター兼投資家として活動。 真面目に勉強している人が報われる社会を作るため、学問の知識をお金に変えるノウハウをメルマガで無料公開している。

今回は傍観者効果について、具体的な事例を交えてわかりやすく紹介します。

 

世の中には、周囲が尽力すれば防げた事件が沢山存在しますよね。

誰かが手を差し伸べればその人は助かったのに、なぜ周囲のだれもが傍観を決め込んでしまうのでしょうか。

 

実はこれこそが、「傍観者効果」と呼ばれる心理効果のせいなのです。

 

この記事では傍観者効果について、

  • なぜそのような現象が起こってしまうのか
  • どうすれば対策することができるのか
  • 傍観者効果が関係して起こる事例

これらについて説明します。

ぜひ参考にしてみてください。

 

 

傍観者効果とは?原因4つ

望遠鏡でこちらを見ている男性

傍観者効果とは、簡単にいうと「他人の緊急事態に対して行動をしない心理効果」の事を指します。

この傍観者効果が発生してしまう原因は、次の4つです。

  1. 事態の緊急性がわからない
  2. 事態への対処法がわからない
  3. 責任が拡散すると考えてしまう
  4. 行動の結果を懸念してしまう

 

それぞれ例を交えて具体的に解説しますので、ぜひ傍観者効果の原因理解の参考にしてください。

 

 

傍観者効果の原因1.
事態の緊急性がわからない

起こっている事態の緊急性がわからないために行動を起こさないというのが、まず一つの原因です。

目に入った出来事が緊急の事態だと判断できない場合に、「放っておいても大丈夫だろう」と決めてしまうのですね。

 

たとえば、道の端でうずくまっている人がいたら、あなたはどうしますか?

「ちょっと疲れて座ってるのかな?」
「声を掛けたら逆に迷惑かもしれない」
などと考えて素通りしてしまうのではないでしょうか。

でも本当は、その人は持病の発作が出ていて、命が危ない状態かもしれませんよね。
見た目だけでは、緊急性はなかなか判断しづらいものです。

またこのときに、「多元性無知」というものも働きます。
「他者が積極的に行動していない場合、事態は緊急性を要しないと考える」のが多元的無知ですね。

道の端にうずくまっている人に誰かが声をかけていた場合、「何か緊急の事態なのかな」と思いますよね。

しかし、誰も声をかけずに素通りしていると、「たいしたことではないんだな」と考えてしまうものです。

 

このように実際にそれが緊急かどうかにかかわらず、事態が緊急であるかどうか判断しにくい場合、傍観者効果が発動しやすくなるというわけですね。

 

 

傍観者効果の原因2.
事態への対処法がわからない

事態への対処法に関して、自分にしっかりと知識があるかどうかも傍観者効果が発動するかどうかにかかわっています。

 

これは事態への対処法が分かっていれば迷わず行動することができるからですね。

 

たとえば目の前で人が血を流して倒れているとします。

この場合、警察に通報するという手順が頭にしっかりと入っている人であれば即座に警察に通報することができるでしょう。

一方、普段警察に通報するということに慣れていない人は、
「警察にかけるには何番だっけ」
「警察になんて言えばいいんだろう」
などと、パニックに陥ってしまう可能性が高いのです。

 

このように事態への対処法がしっかりと頭に入っていない場合、介入が遅れてしまいがちになり、場合によっては傍観者となってしまう可能性すらあるのです。

 

 

傍観者効果の原因3.
責任が拡散すると考えてしまう

周りに人がいる場合、「だれかがなんとかしてくれるだろう」という責任の拡散によって傍観者効果が発動しやすくなります。

 

極端にいうと、「ほかの人たちも見ているだけだったし、自分に責任はない。自分が責められる理由もない」ということですね。

これが傍観者効果の本当に恐ろしいところです。
責任の拡散によって、まわりにいる人が全員「だれかが何とかしてくれるだろう」と思ってしまうと、まわりに助けを出せる人がいたにもかかわらずみんなが傍観者となり、事態が最悪のところまで進んでしまうのです。

 

住宅火災など周りに大勢のギャラリーがいやすい事態を考えてみてください。

火災によって家が半焼しているような状態ですら、大勢が「すでにだれかが通報しているだろう」と思い傍観を決め込んでしまった結果、家が全焼してしまうということも充分にありえるのです。

 

このように周囲に大勢の人がいるなどといった「だれかが代わりにやってくれるかもしれない」状況では、責任の拡散による傍観者効果が発動しやすくなるといえます。

 

 

傍観者効果の原因4.
行動の結果を懸念してしまう

誰かを助けようとして行動した結果、ネガティブな評価を受けるかもしれないという懸念も原因のひとつです。

 

「もし声をかけて、逆に迷惑がられたらいやだな」
「声をかけたはいいけど、うまく対応してあげられなかったら申し訳ないな」
「たいしたことなかったら、声をかけると恥をかくな」
などの懸念を持ってしまうんですね。

 

たとえば、電車でお年寄りに席をゆずったときに「年寄り扱いするな!」などと言われ、助けをはねつけられたらどうでしょう。

こんなことがあっては、電車内で本当に立っているのがつらくて困っているお年寄りがいたとしても、「こういう場合は怒鳴られて恥をかくことがあるから、何も言わないほうがいい」と判断して傍観してしまいますよね。

 

このように、自分の行動の結果が悪いものになってしまうことを恐れて、行動を起こさないことも傍観者効果の大きな要因なのです。

 

 

傍観者効果の特殊な原因

少し特殊な例ですが、傍観者効果の要因として文化的人種的な要素があげられることがあります。

教育や治安環境によって介入の確率が変化するというわけですね。

 

たとえば中国などを例にしてみると、中国の治安は悪く、詐欺も横行しているために見知らぬ人がいても助けにくい環境ができているのだというような説があります。

治安が悪い地域の場合、困っている人に声をかけても、その人がひったくりの類である可能性をぬぐえないからです

もしひったくりであれば、無警戒に声をかけたその瞬間に所有物をひったくられ、逃亡されるということもあり得るわけです。

そうなると、どうしても見ず知らずの人を助ける気にはなりにくいでしょう。

 

実際に中国の特に治安の悪い地域では、路上で少女が引かれた後、18人以上もがその少女を無視して通行した結果、最終的に少女は別々の車に2度轢かれ死亡するという痛ましい事件が起こっています。

さすがに、車に轢かれた少女を放っておくという事態は、日本では考えにくいですよね。

このように人種や文化的な要因が傍観者効果の発動に関係しているともいえます。

 

とはいえ人種的・文化的な傍観者効果の発動についてはあまり研究が進んでいないため、「こういう地域は傍観者効果が発動しやすい」などと関連性を決めつけてしまうことはできません。

あくまで、人種や地域の特徴も傍観者効果の原因に関係しているかもしれない、くらいに考えてください。

いずれ、しっかりと多くのデータを使って結論が出るのを期待したいですね。

 

 

参考文献:
Bystander intervention in emergencies: Diffusion of responsibility.

Why Did Crowd Flee Shanghai Subway After Foreigner Fainted? : Parallels : NPR

The responsive bystander: How social group membership and group size can encourage as well as inhibit bystander intervention.

Bystander Intervention Prior to The Arrival of Emergency Medical Services: Comparing Assistance across Types of Medical Emergencies

The bystander-effect: A meta-analytic review on bystander intervention in dangerous and non-dangerous emergencies.

 

 

傍観者効果はキティ・ジェノヴィーズ事件がきっかけで発見された!

ナイフを持つ手

キティ・ジェノヴィーズ事件とは1964年アメリカニューヨーク州でキティ・ジェノヴィーズという女性が刺殺された事件です。
この事件がきっかけで、傍観者効果が提唱されたのです。

 

一見すると普通の殺人事件に見えるのですが、この事件の特異な点は被害者女性が30分以上にも渡って悲鳴を上げていたのにもかかわらず、30人あまりの住民全員がその声を無視し続けたことにあります。

まわりにたくさんの人がいたにもかかわらず、全員が悲鳴を無視し通報をしなかったため、最終的に被害者女性は死亡し犯人も逃亡するという結果を招きました。

※ちなみに、30人以上というのは誇張であるという説が有力です。
しかし、近隣住民が悲鳴を無視した結果、最悪のところまで事態が進んでしまったという事実は変わりませんね。

 

参考文献:
The Kitty Genovese murder and the social psychology of helping: The parable of the 38 witnesses.

Winston Moseley, Who Killed Kitty Genovese, Dies in Prison at 81 - The New York Times

 

 

傍観者効果はラタネとダーリーの実験や論文で証明されている!

ラタネとダーリーは、上記のキティ・ジェノヴィーズ殺害事件がきっかけで、傍観者効果に関する実験を行いました。

学生を人数が少ないグループと人数が多いグループに分け、グループ内で緊急事態が起こったときにどう行動するかを観察した実験です。

 

学生を2名、3名、6名のグループにわけて、相手の様子が分からないようにマイクとインターフォンのある個室にそれぞれ1人ずつ通す。その後グループ討議を行わせ、1人が途中で発作を起こす演技をするというものであった。

この時、行動を起こすかどうかを確認し、また、その時間を計測した。結果として、2名のグループでは最終的に全員が行動を起こしたのに対し、6名のグループでは38%の人が行動を起こさなかったことが確認された

傍観者効果 - Wikipedia

 

人数が少ないグループほど、きちんと事態を緊急だと判断し、自ら行動を起こしたのです。

人数が多いグループだと、傍観者効果が発動していることがよくわかりますね。

 

参考文献:
Bystander intervention in emergencies: Diffusion of responsibility.

 

 

傍観者効果の事例2つ

雑踏の中で倒れているマネキン

傍観者効果が大きく関係している事例として、次の2つについてお話しますね。

  1. いじめが起きても誰も止めない
  2. 火事が起きても誰も通報しない

 

いずれも、残念ながらよく起こってしまう事態です。

いじめや火事について、傍観者効果の視点から考えてみましょう。

 

 

傍観者効果の事例1.
いじめが起きても誰も止めない

いじめにおいては、頻繁に傍観者効果が発動します。

 

いじめにおいて傍観者が発生してしまう原因は、主に次のようなものです。

  • 助けると逆に自分がいじめのターゲットになってしまう危険性
  • 自分だけではいじめを止められないという諦め
  • なにをすればいいか分からない
  • 被害者がいじめられるのは仕方がないと考えている

まさに、傍観者効果の発動条件を満たす要因ですね。

 

また、いじめにおいては集団の圧力も加わります。
傍観者がいじめを傍観し続けるだけでなく、いじめに加担したりいじめを面白がるのはこのためです。

たとえばいじめられている子がいたとして、その子を可哀そうだと思いつつも、周りとの関係を保つために消極的にいじめに参加するといった感じですね。

 

このようにいじめと傍観者効果は密接に関係しているといえるでしょう。

 

 

傍観者効果の事例2.
火事が起きても誰も消防車を呼ばない

「火事が起きたときに誰も消防車を呼ばない」というのも、傍観者効果が原因です。

 

「誰も消防車を呼んでいないのである!!!」という言葉がネット上で話題になったことを知っていますか?

これは、漫画『しあわせアフロ田中』37話の火事のシーンがもとで、爆発的に有名になった言葉です。

話の内容としては、「自分たちの泊まっていた宿が燃えてしまい、多くの人が集まっている中、誰1人として消防車を呼ばなかった」というものです。

「なぜ消防車が来ないんだ……?」とその場の全員が考える中で、「なぜなら!誰も消防車を呼んでいないのである!!!」というフレーズが印象的なお話です。

傍観者効果の恐ろしさを多くの人が知るきっかけになった話ですね。

周りに多くの人間がいるため責任の拡散が起こっている状況や、火災という見慣れない光景にどう対処すればいいか周りの人が分かっていなかった……という傍観者効果をうまく表現しているといえます。

 

これはもちろん漫画のお話なのですが、現実に火事について似たような事例は多くあります。

火事のような大事はギャラリーが多くなりがちな分、傍観者効果が働いて、むしろ通報などの対応が遅れてしまう傾向にあるのです。

 

 

傍観者効果を防ぐには?具体的な2つの解決策

解決

傍観者効果を防ぐには、次の2つを特に意識することが大切です。

  1. 事態の緊急性を伝える
  2. 対処法を具体的に伝える

傍観者効果は、「緊急かどうか判断できない」「誰かが対応しているかもしれない」「助け方がわからない」などが原因で起こってしまいます。

なので緊急事態が起こった際は、緊急性や具体的な対処法を伝えることで、周りの人たちを傍観者にしないようにしましょう。

また、自分が普段から緊急事態に対する対策を意識することで、傍観者になってしまうことを防ぐことも大事です。

 

傍観者効果の対策1.
事態の緊急性を伝える

もし自分になにか緊急の事態が起こった場合、傍観者効果を起こさないようにするために「緊急性を伝える」ことが大事です。

 

事態の緊急性はぱっと見ではわかりずらいことがあり、緊急性がないと判断されてしまうこともあります。

そうなると傍観者効果が発動しやすくなり、結果として緊急事態なのにだれも助けに入らない……ということが起こるのです。

そのため緊急事態が起こっていることを明確に伝えることが大切です。

 

「○○だから、だれか助けてください」など、状況をはっきりと周りの人に伝えることで、傍観される確率がぐっと下がります。

 

 

傍観者効果の対策2.
対処法を具体的に伝える

何かが起こったときに自分が対応できるように、緊急事態への対処法を知っておくことが大事です。

 

事態への対処法をよく知っていないと、介入が遅れてしまいます。

たとえば映画館などであれば非常出口がどこであるかを事前に見ておくなど、非常事態が起こった際に即座に行動できるようにしっかりと対処法を把握しておくことが大切です。

 

また、緊急事態への対策を明確に周りの人に伝えることで、傍観者効果を防げます。

見ず知らずの他人に緊急事態の対処法を知ってもらうというのは難しいですが、たとえば会社を経営している人など下に部下を持っている人であれば従業員に緊急時の対応方法を伝えることができますよね。

自分に何かが起こった際も、できるだけ具体的にどうしてほしいのかを伝えることで、助けてもらえる確率が上がります。

 

このように、事態への対処法を傍観者に知らせることがとても重要です。

 

 

 

【まとめ】傍観者効果の存在を知って対策を取ろう!

差し出す手

傍観者効果とは、どんな緊急事態が起こっていても、周りの人が傍観を決め込んでしまうという恐ろしい心理効果です。

火事やいじめなど、事態を目にしている人数が多ければ多いほど、傍観者効果が働きだれも対応しないということが起こるのです。

 

傍観者効果は緊急時において発動しやすく、だれしもがその影響を受けてしまう可能性があります。

とはいえしっかりと要因を知り対策を立てていれば傍観者効果の影響を最小限に抑えることが可能です。

傍観者効果の対処法を知ることで、緊急時にも迷いなく行動できるようになりましょう。

 

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